「亭主元気で留守が良い」。
まさか、この年齢で妻に言い放たれるとは予想だにしませんでした。
記念すべき100本目の記事です。
夫のケガが妻のノイローゼをひき起こす!?
「頭では分かってるんやけど、イライラしてしまう!」
連日、妻の悲痛な叫びが築150年の古民家にこだましています。
①ドライバー役を押し付けるべからず
骨折してからというもの、わたしの仕事に買い物に、ドライバーはもっぱら妻。
左足骨折の場合、オートマなら片足で運転する猛者もいるらしいですが、けっして運動神経に恵まれた人間ではなく、事故や新たなケガに見舞われたら元も子もありません。
「どこに行くにもわたしが運転しないといけない」と言われても、これはお願いせざるを得ません。
②背後に居るべからず
仕事の無い日は、わたしはほぼ丸一日、パソコンやノートを並べてキッチンと囲炉裏のある板間で過ごしています。
この「場所」が良くないというのが妻の主張です。
わたしの座り位置がキッチンを向いているため、台所に立つ時間の長い妻にとっては気になって仕方がないようす。
「ずっと背後におられることがイヤ」
「特にキッチンのまわりにいるのがイヤ」
まるで料理に目覚めたゴルゴ13です。
わたしはわたしで、足を伸ばせるスペースが限られている中、日当たりも良い居間の大きなテーブルはいま考えうる最高の作業場所。
除湿や冷房が唯一使える空間であることもポイントです。
どちらも譲らない中、先日はついに、「ずっと家の中におっても身体に悪いやろし、外にテーブル置いて作業したら?」と屋外作業を提案されました。
③むやみに頼みごとをすべからず
どうやら、これがもっとも大きなストレスの種になっているようです。
「あれどこ?」
「ちょっと、●●取ってくれへん?」
という何気ない頼みごとが引き金になります。
「ケガする前からそうやったけど、わたしに頼みすぎ!」
「口ばっかりで何もせーへんのやから」
とまで言われると、自分がケガ人であることを忘れて落ち込んでしまいます。
朝の日課である田んぼの水管理についても、やむをえず頼んでいますが、
「わたしは朝ごはんも作らなあかんのに、毎朝同じようにはできません」
と背中越しに言われがちです。
そんなこんなで・・・
ケガをしてからは、まるで定年退職して家で煙たがられる主人のような扱いです。
わたしはわたしで、治療のためアルコールを自粛している目の前で
「疲れた~、ビール飲も~」
と嬉しそうに冷蔵庫を開ける姿に、しずかな苛立ちをおぼえてしまうこともあり・・・。
夫婦の絆がいま試されています。
今日の一句
新妻の 寝顔涼しき 星の夜
にいづまの ねがおすずしき ほしのよる
季語:涼し(夏)
日中のいさかいを経て、まるで何ごともなかったかのように涼しげに眠る妻。
そういえば、プロポーズをしたのは、砥峰高原の満天の星空の下でした。
初心忘るるべからず。
男は、たとえ自宅で出来る仕事でも外に職場を持つべきなようです。
ぶつけられた本音を真摯に受け止めて、今後に生かせばいいと思います。
怪我人として世話になっている間は、平身低頭が基本です。
ま、いさかいがある間は大丈夫ですよ。
普段でもそうですが、今はなおさら平身低頭が平和の秘訣でしょうね。。。
今日も妻に「今まで出来てたことが今はできないってことを受け入れるべき」と言われてハッとしました。
手のひらで転がされているとまでは思いませんが、到底かなわぬ相手です。