雨溢れて蛙の園となりにけり


田植えも無事終わり、しばらくは苗の様子見・・・

と思っていましたが、そうはいきませんでした。


喜びと戸惑いの有機稲作

「わしらは蛙育ててるんちゃうからの」

と米づくりの先輩から冗談で言われたことがありますが、ほんとうに蛙を育てている気分になります。

昨年の秋時点田んぼの畦に発見した、天然記念物・モリアオガエルの卵の群生。

きれいな空気や水のある場所でないと産卵しないといわれ、モコモコした白い卵塊は、「延命の小ぶくろ」とも。

今年は早くも複数箇所に卵を産み付けています。

ちなみに卵を触ってみると、外は弾力があり中はトロッと柔らかい、なんともいえない触感です。

他のかたの田んぼにも並んで産卵しているところがあり、貴重な自然環境が保持されている場所なのだと嬉しくなってきます。


そのモリアオガエルたちの卵をつぶさないように気を付けながら畦に泥を塗り固め、迎えた田植え。

田をならし切れておらず水の深さにバラつきがあったものの、熟練のオペレーターさんの手によりスムーズに植え付けがすすみ、その後の有機肥料撒きも無事に済みました。

順調に思えたのですが・・・、予想外の問題が発生しました。


今年は除草剤を使わないため、アワやヒエが生息できない環境を作るために水位を深めにキープするという重要な管理作業があります。

ただし田植え時点の苗の高さがじゅうぶんでなかったため、水に浸かりきってしまった苗が少なくありませんでした。

深刻なものは黒ずんで弱ってしまっていたため、自分たちの判断で余っていた苗を植え替えました。

雑草対策は重要ながら、苗が生育しなければ元も子もありません。

難しい判断でした。


トライあってのエラー。

昨年は、はじめての米づくりですべてが初体験。

肥料のやり方、時期ごとの水位の保ち方など、教えてもらったことを忘れないようにするので精いっぱいでした。

今年は有機稲作研修に参加し、自分たちなりに勉強もしたうえでチャレンジしています。

しかし実際にやってみるとどうしても教科書どおりにいかないところが出てきて、今回のようなハプニングも起こります。


ただ米づくりに限らず、「失敗」は挑戦するから生まれるのかもしれません。

竹を夏場に切ると腐る、野菜の植え時を逃すと大きく育たない、木の選定時を間違えると枯れてしまう―

移住してからいろんな失敗をしてきましたが、自分でやってみて失敗したことは胸に残っています。

ひとつひとつの経験を肥やしにしていこうと気持ちを新たにしつつ。

安全でおいしいお米を作れるよう、ひきつづき頑張ります!


今日の一句

雨溢れて 蛙の園となりにけり

あめあふれて かわずのそのとなりにけり

季語:雨蛙(夏)

季語の扱いの微妙さ、そして上五の字余りはご容赦を。

雨水が満ちるような日は、ところせましと村じゅうを蛙が飛び回っています。


兵庫県姫路市生まれ。早稲田大学大学院 教育学研究科 修了。専門は江戸の初期俳諧。 総合広告会社(博報堂DYホールディングス)を経て、2014年兵庫県神河町に移住。2015年起業。2020年より株式会社OFFICE KAJIYANO 代表取締役 俳句結社「姫路青門」所属

2件のコメント

  1. 「トライあっての、エラー」!
    まさに、ですね。
    トライも、エラーも無いよりも、いくつものトライとエラーを実体験されてることが、かっこいいなぁ!と思います(^_^)
    秋の実りが豊穣でしたら、是非、その時は、手を挙げさせてくださいね(^_^)ノ

    1. 陽子さん
      姫路で創業し、神河町に来られて現在に至るまで。きっと、人知れず、たくさんの試行錯誤を繰り返してこられて今の『楽や』さんがあるのでしょうね。その道のりを思うと、わたしたちは本当にまだ入り口に差し掛かったところ。お米づくりとじっくり向き合ってみたいと思います。豊かな実りをお届けできることを祈って!

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