噂には聞いていた、あの生き物。
思わぬタイミングで出会いました。
”川の主”とついに遭遇!?
4月下旬は、毎年恒例の溝掃除。
泥さらえもそうですが、水路の脇の草刈りも合わせて実施します。
水路の恩恵を受ける人(受益者といいます)は主に農家。
一方で生活用水として使われている方もおられ、村の共有財産である水利の管理事業として位置付けられています。
集合は隣保単位。
それぞれに手ごわいポイントがあり、相互のようすを見ながら適宜合流します。
(この呼吸が難しいのですが、、)
今年も無事に終了しました。
エピソード
わたしは上流の泥さらえからスタート。
水路の中を少しずつ下りながらジョウレン(穴あきの鍬のような農具)で泥を掬うこと約10分。
足元に、何かゴロッとした物体を感じました。
はっと目を向けると、茶色いボディに黒い斑点。
「もしや、オオサンショウウオでは・・・?」
とっさに思いました。
ただ、飼育されたものを見たことはあるものの、実物は未遭遇。
自信がないので「何かがいました!」と叫ぶばかりでした。
「ヌルヌルすっけど、つかまえてみぃ」
幼少期に銛(モリ)で川魚を仕留めていたような先輩方にとってはおなじみの存在。
流れにさからい上流へ向かおうとする後ろ姿を追いかけて、エイっと掴んでみると、たしかにすごいぬめり。
何度もつかみ直して、どうにか一瞬抱え上げることができました。
オオサンショウウオは、川底の石の下や、川岸がほれた場所などの「すきま」をすみかにしています。からだが大きいですが、実は、からだがぴったりおさまるほどの、意外と小さなすきまが好きです。人間が、川を洪水(こうずい)から守るためにコンクリートで川底や川岸をかためるような工事をすると、そのような「すきま」はなくなり、オオサンショウウオのすみかがなくなってしまいます。また、オオサンショウウオは、繁殖(はんしょく)の前や、流されたときに川底をノソノソと歩いて上流へ移動します。
言わずもがな、天然記念物。
みんなで犬見川にかえしました。
今日の一句
口開けしはんざきといま見えけり
くちあけし はんざきといま まみえけり
季語:はんざき 山椒魚(初夏)
野草も桜も少し気が早い今年。季語の先取りご容赦ください。
手で受けてみて、そのたくましさ、意志の強さを感じました。