稲作は世代を超えた共通言語。
長谷地区では、米づくりを通じて世代が交わっています。
米が世代をつなぐ?
今年も田植えのシーズンがやってきました。
集落によっては農家それぞれに苗を育てているところもありますが、大川原営農ではビニールハウスで共同育苗。
じゅうぶんな背丈に育ててから各農家へ配布します。
雨の日を外して14日(月)に苗が配られ、さっそく田植えが始まりました。
大川原営農では、昨年からわたしを含め若手オペレーターが複数増員。
昨年は、初任者研修を兼ねて田植え・稲刈りともに連日多くの人員が集いました。
ただし、ありがたいことに、われわれ見習いにも参加した時間ぶんだけ手当が発生します。
今年は、最小限の体制(基本は2人1組)でローテーションが組まれ、わたしの出番は16日(水)の午後になりました。
例年、村の仕事や消防の活動が立てこむ時期。
なるべく新規案件着手や納品時期が重ならないよう前年度から調整をしているのですが、結局新たな仕事も舞い込み5月いっぱいが修羅場に。
ほんとうはじっくり先輩がたの田植えを見たかったのですが、なかなか時間が許しませんでした。
田植えを翌日に控えた15日は、美容室チェーン様の定例コンサルティング。
美容業界では、お客様が帰られてからが社内の時間。
研修やミーティングは夜間に行われる夜型の世界です。
にもかかわらず朝も早いのです。本当に頭が下がります。
今回も定例会議は深夜に及び、神崎郡周辺に帰ってきたのは日付の変わり目。
深夜営業の某飲食店で一息ついて食事をとり、帰宅してからビールを一本。入浴。
「明日は午後田植えなので朝はスロースタートです。よろしく」
寝ぼけまなこの妻に伝えて、眠りにつきました。
「ジリリリ〜ン!」
翌朝、携帯の着信音で目が覚めました。
電話の主は農会長。
「寝とったか、すまんな」
おそらく寝起き丸出しの声だったのでしょう。
「前日の作業が予定より早よ済んで、順番回ってきとんや。この後いけるか?」
「・・・あ、はい!」
慌てて準備をして、合流!
「山口くん、目ぇ覚めたか」
立ち話をしていた先輩がたに笑われました。
前半は、先輩が乗車、わたしがサポート役。
サポート役の仕事は、田植機の背中の苗補充、田んぼから出る際のバランス補助やタイヤの掃除などです。
ほか、植付レバーの噛み合わせが甘く苗が飛ぶ(植わらない)ことがあるのでそのチェック。
また農家さんから注文された苗箱の余りがなるべく出ないよう(不足はNG)中盤〜終盤で植え方微調整の相談もします。
何枚かサポートをした後、1年ぶりに田植機に乗車。
操作方法をはっきり覚えておらず不安でしたが、乗ってから少しずつ思い出してきました。
仕上がりはまずまず・・・?
山口家含む有機農法チームの田んぼは来週植える予定です。
ちなみにお隣の本村集落の営農組合では、新人が2人(以上)デビュー。
2人とも消防でも顔をあわせる仲間です。
1人は、数年前長谷に戻り結婚、親と同居している同世代。
「A(他の集落で営農の仕事に従事)や山口さんが米づくりしてるから、田んぼあるし俺もそろそろやらなあかんかなと思って」
もう1人は、今は長谷を出て暮らしている20代の松田龍太風青年。
今年の操法大会では長谷部の選手に。
長谷小学校グラウンドでの練習にも参加しています。
地元にゆかりのある若手世代が、農業を通じて地域とまた新しい形でつながる。
これって、よくあることなのでしょうか?
それとも・・・
今日の一句
見習いの操縦士 頰に青田風
みならいの そうじゅうし ほおにあおたかぜ
季語:青田風(夏)
まだまだ不慣れな新人オペレーター。
緊張で少し紅潮した頰に、青田の風が吹き抜けます。