人体にとって、大きな可能性を秘めている春の野草。
野草料理研究家・尾下清子先生の勉強会に参加してきた妻が、ダイジェストで教えてくれました。
尾下先生は、お住まいの市川町で、マクロビオティック料理の研究と実践の会、柚子里会(ゆずりかい)食養料理教室を主催されています。また、ご主人の尾下昌士さんは釉薬(ゆうやく)を使用しない陶芸家として知られています。
季節の草が、体をたすける。
トップの写真は、早速妻が実践したハコベのお茶です。
くさかんむりに楽で「薬」。つまり、クスリとはもともと、「草を食べて、体を楽にする」から来ているのだとか。
たとえば、ハコベの効能はざっと以下の通り。
・歯槽膿漏の予防
・歯ぐきの止血
・歯周病の予防
・催乳効果(母乳の出方を良くする)
・産前産後対策
とりあえず、歯に良いようです。
さて、お味の方ですが・・・正直、お茶を飲んでいるのか草を噛んでいるのか分からないぐらいの青臭さ。
されど、「良薬口に苦し」と思えばグビッと飲めるから不思議です。
小さなころから、病院の薬を飲むと即座に効き目を実感してきたタイプです。
人の身体と切っても切り離せない「野草」
現代において”自然の恵み”の象徴である野菜も、野草がその原形。
野草を、大きく、美味しく食べられるようにしたのが野菜といわれています。
たとえば、野蒜(のびる)はネギの原形だそうです。
先生曰く、春の野草のほろ苦い味の成分が、冬にたまった脂肪を排出してくれるそう。
動物たちが春になると一斉に野草を食すのは、DNAがその効能を知っているからでしょう。
(そういえば、犬は、胃の調子が悪い時、草をたくさん食べますね。)
びわの葉やヨモギの治癒など、東洋的な民間療法のルーツも「野草」。
一方、西洋医学における「薬」は、植物の薬効成分を抽出して、科学的に似せたものだそうです。
思い切って野草を食べて生活すれば、体にも良く経済的なのではないでしょうか?
今日の一句
したたかに 根を張ってゐる 杉菜かな
したたかに ねをはってゐる すぎなかな
季語:杉菜(春)
畑にも、庭にも、生えてほしくないなぁと思うところに、気づけば群生しているスギナ。
憎らしく思いながらも、そのたくましさに感心してしまいます。