『谷間の家さんきら』には、ときどき遠方から思いがけない来客があります。
しかし今回は、おどろくほどご近所から。
若者の田舎暮らしといえば・・・”消防”!
今だから正直に告白します。
わたしがひそかに心に決めていたこと。
それは、「消防には(なるべく)入らない」ということです。
村の一員となってから、たびたび「お前の歳やったら、消防入れるんちゃうんかい」と言われてきましたが、そのたび「どうなんでしょうねぇ・・・」とはぐらかしてきました。
というのも、入ったとしても仕事が不規則で迷惑をかけたり、運動神経がないことで足を引っ張ったりするのではないかという気後れがあったのです。
もっと率直にいえば、自分には向かない(無理)と思っていたからです。
頭に浮かぶイメージは、”消防”の大会。
↓こういうのとか、(以下、画像は「FIRE RESCUE EMS」より転載)
↓こういうのとかですね。
ところが、今年7月中旬。
クリーン作戦において、わが大川原集落で唯一消防団に所属している先輩と出会ったことがきっかけで事態が急転。
居合わせたOBからも
「若い子おらんで困っとんや。ちょっと考えといてぇな」
と背中を押され、また改めて話そうということになりました。
その後、骨折・・・。
考えごとをする時間が増え、「そういえば、あの話どうなったんだろう」と思っていたら、お盆前に団員の先輩からお電話がありました。
「分団長と説明にあがらせてもらいたいんやけど」。
「ぶ、分団長・・・!?」
”消防”の活動内容もよく分からないながら、分団長のご訪問を待つこととなりました。
神河町消防団はブロック制
神河町の消防団は、現在、7ブロック32分団に分かれています。
わたしの地域は長谷ブロック。「川上」「長谷」「大河」「栗・渕」の4分団に分かれています。(長谷分団と大河分団は複数集落が合併)
この度お会いすることになったのは、その中の長谷分団のリーダーということになります。
分団長は、となりの集落に住む40代前半の方。
姫路の企業に勤め多忙な日々を送りつつ、毎月第1月曜におこなわれる月例(水出し、パトロール等)など、時間をやりくりして消防活動を務めておられると聞いて頭が下がる思いでした。
活動方針は、消防団それぞれ。
今のところ、長谷分団の定年は45歳。(まれに例外的延長もあり?)
人員減少により、定年は徐々に引き上げられてきているそうです。
・・・45歳。
わたしが45歳になるころ、わたし自身や家族、そしてこの村は一体どうなっているのか・・・。(遠い目)
それは良いとして。
わたしが一番気になっていたのは、『消防操法大会』とその練習です。
毎年5月に大会が行われ、神河町は強豪と聞いていました。※平成20年度には神河町消防団「大畑分団」が全国準優勝
「練習って、やっぱりハードなんですよね・・・」
と、おそるおそる質問すると、
「いや、そうでもないよ」
という意外な答え。
分団によっては、前年度の年明けから練習を開始するところもあるそうですが、長谷分団はあくまで大会前の練習が中心。
わたしたち夫婦の仕事や暮らし方にもご理解をいただき、
「あくまで仕事優先。仕事の都合がつくときに参加してくれたら良いから」
とのお言葉に、少しほっとしました。
文化系消防団員?
とはいえ、中学・高校と部活にすら入らず放蕩生活を送り、この記事で「ぶんだん」を変換するたび「文壇」が出てくるような文化系のわたしです。
完全に、非・体育会系といって差し支えありません。
自分に務まるのか不安もありますが、年末の警備あたりから合流して、来年度正式入団のはこびとなりました。
支給される制服も手配中。
きっちりとケガを直して、心の準備をしていきたいと思います。
※意外と長くなってしまったので、今回気づきを得た「”消防”の存在意義」や「”消防”の未来」についてはまた改めて書きます。
今日の一句
蜩や夕餉の皿のつややかに
ひぐらしや ゆうげのさらの つややかに
季語:蜩(秋)
「消防に入るか否か」という、1年半以上にわたり気にかかっていたテーマ。
お誘いをいただいてからしばらくは、食事どきまで、色んな想いが駆け巡りました。
こんなときは、「カナカナカナ・・・」と美しく重なるひぐらしの鳴き声も、どこか不安な気持ちを増幅させるものです。