日々論争を呼ぶ、あの生き物たち。
現役の生物研究者が見分け方を教えてくれました。
山村の”宿敵”を知る。
10連休のゴールデンウィーク。
kajiyanoも休みにしようかとも思ったものの
「帰省して寄ってくれる人がいるかもしれないから」
という妻の言葉になるほどと思い、ゆるりと開けてみることにしました。
妻の読み通り、東京、広島、大阪・・・この連休中に帰省している方の来訪が続いています。
その中のひとりが、現役の大学院生。
専門は生物学。
研究論文のタイトルを聞いてもサッパリ理解できませんでしたが、とりあえず「生物(せいぶつ)」のスペシャリストだということは分かりました。
「あの、、、それでしたらぜひ教えてもらいたいことがあるんですが・・・」
わたしたちを悩ませる野生生物についての質疑応答が始まりました。
episode:野生生物たちとの戦い
数年来、田んぼの畦、コンポストの底部などに何やら妙な掘り跡があるのが気になっていました。
まず思いつく犯人はモグラ。
ところが、生態や姿を聞くとどうも印象が違います。
浮上したのが「アナグマ」。
アンテナを張っていると、夜に何度か排水溝まわりで出くわしました。
それがどうしたことか、ここ最近は、わが家の田んぼや敷地に白昼堂々と出没するようになりました。
妻がカメラを向けても落ち着いているため、スクープ写真は豊富。
あまりのふてぶてしさに腹を立てつつも、後ろ姿を見送るばかりでした。
↓いろんなところで、わがもの顔。
村でもその話をしてみたところ、数日後に1本の電話。
「アナグマのこと言うとったやろ、あれ、ワシつかまえたで」
「え〜!!!どうやって!?」
「檻や」
「なんと・・・」
駆け足で現地に向かうと、見慣れたシルエットが確かにそこにありました。
檻に近づくと
「フクククゥ・・・!!」
プライドを捨てていないと言わんばかりに低い唸り声をあげました。
アナグマストーリーがつい長くなってしまいました。
冒頭でご紹介した若き研究者には、そんなアナグマの生態ほか、見た目が似ているアライグマ、タヌキ、アナグマ、テンやイタチそれぞれの特徴や違いを親切に教えてもらいました。
まさに「餅は餅屋」。
とても全部は覚えきれませんでしたが、一部は情報交換ノートにも。
「僕らは経験則で話してるけど、理系的分析というか科学は明確な答えをくれますね」
文系を代表したつもりで発言したところ
「科学も誰かの経験則から来ていますから」。
鋭い切り返しに舌を巻きました。
今日の一句
緑陰の檻に穴熊うずくまる
りょくいんのおりにあなぐまうずくまる
季語:緑陰(夏)
川のせせらぎ。眩しいほどの緑。
ビニルハウス脇の檻の中、アナグマは小さくうずくまっていました。