新涼や楷書の並ぶ領収書


仕事が生まれる場所。

※書き下ろし

最近、生成AIの話題には少々食傷気味という人も多いのではないでしょうか。

自戒を込めて書くと、「AI時代にはこういう力が求められるよね」というテーマは、中堅ビジネスマンにとって格好の酒の肴

だけど、そこをクリアに見通せたら誰も苦労しません。

本当はみんな、「この世界がどこに向かい(連れていかれ)、人類に何が残されるのか」不安でしょうがないのではないかと思います。

(人の陰口や批判も、「無視できない存在」だからこそ生まれ、盛り上がるという側面が間違いなくありますよね。)

もちろん、自分も例外ではありません。

生成AIの前に、脅威を感じたのは簡易デザインツール「Canva」

コロナ収束期あたりに加わったスタッフの女性が過去にCanvaで作ったものを見せてもらったときに、企業が”それっぽいデザイン”を広告会社に依頼する時代は終わると直感しました。

少し経って、2022年。

生成AIが存在感を増しつつある中で参加した経営セミナーで、コンサルタントの先生伴走のもと抽出した「2030年に目指す姿」が

「それでもやっぱり相談したくなる、コンサルティング型広告会社。」

その時はちょっとオーバーかなとも思ったのですが、今まさに、自分たちの旗印になっています。

「田舎には仕事がない」と言われるけれど、多様な経験を持って帰ってきている若い子たちや、キャリア経験を持って嫁いできた女性も数多くいます。

また、地元の企業はもちろん、山間部ならではのロケーションや環境を生かした新たなビジネスを生み出そうとしている起業家もいます。

そんな人たちの想いと能力を引き出し、つなぎ、化学反応を起こすことで、結果的に地域に可能性を見出す人が増える。新しい挑戦が生まれる。そんな風に、自分にできる形で地域に貢献できたらいいなと思っています。

しごとで関わる人は分かってくれるのですが、そうした接点がない人にはなかなか伝わりづらくて誤解されている節もあるので、この機会に、、。


思考と表現の軌跡①  新涼らしさと「達筆」

好きな季語のひとつ、「新涼」あるいは「涼新た」。

まだ暑さの残る秋の入り口、ときに鈴のような虫の音が混じり、ふっと涼しい風が吹く瞬間。

一抹のせつなさと共に、世界の輪郭がきりりと引き締まり、あたりいちめん美しく見える感覚はなんとも言えません。

この季節、季語にマッチしそうなもの…

脳内カーソルが止まったのが「達筆」

自分が極度の乱筆のため、さらさらっと整った文字を書く人に出会うと、静かな嫉妬を覚えつつ、じーっと見てしまうんです…。そのコンプレックスや執着から出てきたのかもしれません。


思考と表現の軌跡②  「領収書」

「時代はペーパーレス」と言われながらも、根強い紙文化。

ミルクボーイばりに断言すると、

「日本のDX化を遅らせている最大の壁は、FAX文化だ」とぼくは踏んでいるのです。

とある公的機関から「DXセミナー」の案内がFAXで送られてきて、メインの申し込み方法もFAXだったときに、気が遠くなったのを思い出します…。

少し脱線してしまいましたが、「紙に手書き」が合理的な面もあるのが領収書

内容が決まっていれば印字しておく手もあるけど、相手はさまざま。経費処理のニーズもさまざま。自店や会社の情報だけスタンプしておいて、宛名と金額但し書きは手書きするのが双方ストレスがありません。

「領収書」。

適度に生活感、肌触りもあって句材になり得るのではとアイデアをストックしました。


思考と表現の軌跡③ 「美しい」とは言わないで。

詠みたいことは「領収書に美しい文字が書かれている」。

「文字の美し(うまし)き領収書」あたりで推敲したのですが、早々にお蔵入り。できれば、美しいとは言わずにフォルムを伝えたいと考えたからです。

類語をぐるぐる考えて、そういえば日常あまり使うことがないなと思った単語が「楷書」

筆で書いたような「行書」と対比されたときに、線のシャープさや「まっすぐ立つ感じ」が際立ち、新涼という季語と響き合うように思いました。

あとは、「並ぶ」とかるく添えれば「(数多く)並び立つ」イメージも生まれてくるのではと期待も込めて推敲終了。

透き通るような達筆の領収書、皆さんの脳内に現れましたか?

仕事を通して日々抱えている想いがあふれ、少々暑苦しい記事になってしまいましたが、「新涼」の句に免じてお許しください。


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新涼や楷書の並ぶ領収書

しんりょうや かいしょのならぶ りょうしゅうしょ

季語:新涼(秋)

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