過疎化が進む地域における、大きな課題のひとつ。
「若者が少ない」という現実がさまざまに波及しています。
次世代を担う若手たち
神河町に移り住んでから、年齢以上に自分が「若い」と感じます。
集落においてはわたしが「戸主」となるため、ほぼすべての村の行事に参加していますが、村の平均年齢は約65歳。
わたしはダントツの若手です。
他にも俳句の会、農業ネットワーク、移住者の会など、お世話になっているコミュニティは総じて平均年齢60歳以上。
甥っ子たちには完全に「おじちゃん」扱いされていますが(当然です)、どこに行っても「若いなぁ」と言われて感覚がマヒしています。
実際、この地域で生まれ育った同世代の人たちの現在を聞いていくと、姫路や大阪、あるいは東京など都市部で暮らしているケースが大半です。
「いつか息子が結婚して帰ってきたら、納屋を改装して使わせよう」
などと先々のことを考えていたものの、結局都心部に家を建ててしまった・・・
といった話は、村の内外で耳にします。
わたし自身も都会に憧れ上京した(させてもらった)ので気持ちも考えも十二分にわかるのですが、村に身を置いて田舎の生活の魅力を感じてくると
「現役世代の人がもう少し地元にいてくれたら・・・」
と感じることが少なくありません。
つい最近、高齢化が進む地域の将来について考えさせられるできごとがありました。
テーマは、農地の後継者問題。
国から農業関連の補助を受けている関係で、地域ごとに「人・農地プラン」という農地の管理計画を立てなければならないのですが、その期限が迫っているために緊急協議が持たれました。
村の5年後、10年後、20年後。
年齢バランスを考えると、いま最前線で活躍されている方々を全員頭数に入れて考えるのは現実的ではありません。
現在の中心メンバーが一斉に現場を退くことをシミュレーションすると、ごそっと世代が空き、60代、50代、40代の人の名前が挙がり、消去法的に30代の私の名前も入ってきます。
結果的に、次世代の農地管理を担う大川原営農組合のメンバーに選任されてしまいました。。。
村の人がいちばん分かっておられますが、農業に従事する親世代〜祖父世代の背中を見て育った先輩方に比べるとわたしには体感的な農業センスと知識が圧倒的に欠如しています。
歴史ある家に関わる者として先祖代々の農地をないがしろにはできないという想いはありますが、地域の農業者として主要な役割を果たしていくようなイメージは今のところ持てません。
当面は先輩方のサポートに徹することになると思いますが、未来を託された若手の一員として、時代に合った農地管理を考え実践していく一助になれればと思います。
今日の一句
笹鳴きや 移り住みたる 里の黙
ささなきや うつりすみたる さとのもだ
季語:笹鳴き(春)
笹鳴きとは、ややぎこちない春のウグイスの鳴き声のこと。
住み始めて四年目になる山里には、ときに深い静寂がおとずれます。