
公教育の未来を問う、谷間の小さな学び舎。
今回のテーマ:長谷小学校・幼稚園のこれまでとこれから
※長文です
「そんなに人数少ない学校に行かせるなんて、こどもがかわいそうや」
ときにそんな声も浴びながら、長谷小学校・長谷幼稚園の保護者と児童は、自らが暮らす地域にある学び舎と向き合っています。

本来は、居住校区にある学校に通うことが原則。
ただ、ある時期から「どうしても隣の学校に通わせたい」という保護者が現れ、「4/1現在に住所があれば当該校区への通学を容認する」と町が認めたことで、以後、「地元の小学校に通わせるか」「住民票だけを移して他の2校に行くか」という2ルートが生まれることになりました。
学校の統廃合について、これまでの町の姿勢は「保護者に委ねる」。
1人でも行かせたいという保護者がいれば残すという発言まであったと聞いています
ときの保護者に地域や学校の歴史を背負いながらの判断を迫るのは、酷な話です。
保護者のあいだでも意見が真っ二つに割れる時期も経て、転出の裏ルールを認めつつ町教委としては統合の道筋の提示もしてこなかったことは「責任の回避」と言わざるを得ず、今に続く分断を生む起因となったことは否めません。
未就学児の聞き取りで「山口さんはどっち派ですか」と町職員から聞かれたときには、 驚きを通り越して呆れてしまいました。
奇跡の?幼稚園再開と、”地域の学校”へのまなざし。
2018年頃から統合に向けた話し合いは行われてきていて、当時の町推計は、未就学児が当面ゼロ、上の学年が抜けるたびにゼロに近づいていくという内容でした。
実際に複数名の未就学児もおらず長谷幼稚園は閉じられていたのですが、当時の地域の重鎮が交渉してくださり、廃園ではなく「休園状態」となっていました。
そこへ、何の運命なのか我が家待望の第一子と同じ学年で小さなベビーラッシュ。
幼稚園の再開ルールは、「希望者が3人以上」。個別に幼稚園就園意向の聞き取りが行われ、計5人が入園を希望し、長谷地区の再開が決定しました。
その際、園舎の再利用を保護者からは要望しましたが、「老朽化している箇所がある」「安全面でメリットがある」として小学校内への幼稚園設置が決定。「幼小連携」という指針が打ち出され、今に至っています。


もともと自然豊かな環境でのびのび子どもを育てたいと思っていた我が家にとっては、地元長谷で、先生方に手厚いサポートを受けられる今の体制はありがたく思っています。子どもたちも気に入っていて、週末になると月曜を楽しみにしています。

ただ、そんなにも少ない子どもたちへの学校設備や教員配置への手厚い対応に不公平感があるのも事実。町として存続させるならば、存続の意義を広報し、惜しみなく支援してほしいと思います。
コストの問題を指摘をされることもありますが、未来を支える子どもたちへの投資はビジネスの枠組みをあてはめてはいけないと思います。
こどもファーストで、地域とともに。
「地域の学び舎を存続させるなら、こどもたちが幸せに過ごせる魅力ある学校にしてほしい」
私たちの想いは変わりません。
近隣の参考事例)児童募集中! 小規模特認校である安富北小学校のいいところって?
「保護者としてできることはしたい」
「この環境を生かして、詰め込みではない自発的な学びを大事にしてほしい」
「統合派と存続派が半々」だったのは、いまや昔。現保護者の熱い想いと団結力には、学校からも驚かれているようです。今年から着任された校長先生、教頭先生とは特認校としてこれからどんなことを目指していくのか対話の機会もいただいています。
先月末からは、「地域とのつながりをもう一度作ろう」と地域に向けて草抜きボランティア募集を企画してくださり、2回目は参加者が初回より増え、地域の方同士が久しぶりに顔を合わせておしゃべりする機会に。「次回もまたここで会おね」と約束する姿もあったそうです 笑
少しずつ、次の章に向けて動き出している長谷小学校・幼稚園。
「集団ではこの子の良さが出づらい」「もっと一人ひとりを見てほしい」と感じておられる保護者さん、ぜひ学校もしくは私たち長谷の保護者へお問い合わせください!学校見学も随時受け付けています。
Instagramアカウント 長谷小学校・幼稚園PTA保護者


自句自解
思考と表現の軌跡① |リスと出会った衝撃から。
栗鼠は、「りす」と読みます。
俳句はこの文化が独特ですね。漢字の視覚情報も表現の要素のひとつとなります。
数年前の地籍調査。
山の境界を確かめる50年に一度級の貴重な機会ということで、高齢の義母に代わって僕が立ち会うことになりました。
森林組合と神河町役場の調査チームの案内のもと、スパイク足袋で山入り。
主な調査ルートを下草刈りをしていただいていたので助かりましたが(本来は山主の仕事、、)険しい場所も多く、慣れない運動で初日は倒れ込むように寝たのを覚えています。
たしか調査後半の10月頃。少しなだらかな山があって、ちょっとしたハイキング気分も味わいながら歩いていると
「お、今走った」
リスがトコトコっと枝を駆ける姿を見ることができました。
人生初!
こんな経験をしたら、俳人がメモを取らないわけはありません。
思考と表現の軌跡② |小さくも、世界に音を立てる存在。
「走る」
「駆ける」
やはり思いつくのはその動詞。
だけど、当たり前といえば当たり前です。
逆に、リスが枝で立ち止まる瞬間を切り出すか?とも考えながら情景をリプレイ再生してみると、足元の落ち葉を踏む音と、広葉樹の葉のこすれ、生き物や鳥たちのさえずり、いろんな音が聴こえてきました。
「リスが枝をしならせて走っていた時も、カサカサ音が鳴っていたなぁ」
そこから、上五・中七の「谷紅葉鳴らして」というアプローチに至りました。
ちょっと大げさだと思われるかもしれませんが、紛れもない実感。
あんなにも小さな動物の行動も、音を生み、人をおどろかせ、枝に刺激を与え、広葉樹の葉を土に落とし、山全体の生態系に影響を及ぼしていく。
そんなインスピレーションも得ました。
季語の「谷紅葉」と切れ字「けり」
単に「紅葉している山」でもよかったのですが、あの地形を思い描きながら季語は「谷紅葉」に。
乾燥した秋の落ち葉やカサカサッという静かな谷間に響く乾いた音がイメージされればと思い選びました。
締めくくりの下五は「栗鼠の走りけり」。
古典の教科書にあった「過去・詠嘆のけり」です。
「あ、いまリスが走り去った」という発見と、次の瞬間に訪れる谷の静寂、という感じでしょうか。
小さな枝にあそぶリスたちが、豊かな生態系につらなることを想いつつ。
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谷紅葉鳴らして栗鼠の走りけり
たにもみじ ならして りすのはしりけり
季語:谷紅葉(秋)
